
こんにちは、いなか ちさき です。
幼児に料理やお菓子に興味を持ってほしいが、たまごや小麦粉の扱いが心配。
幼児が作れて、「たまごなし」「小麦粉なし」の、料理やお菓子が登場する児童書はないかな。
幼児が1人でも読めるようにフリガナがついた、たまごと小麦粉なしの料理やお菓子作りをする物語の児童書が知りたい。
幼児が物語を楽しみながら、たまごなし、小麦粉なしで、簡単に実現できる料理やお菓子が登場する児童書をお探しの方へ。
児童書「ルルとララのきらきらゼリー」は、まだ子供に、「たまごを触らせたくないな」「小麦粉をふるう作業が心配だな」「小麦粉が散らかると困るな」と、思う方にも優しいレシピの物語。
「固めるだけでお菓子作り感が少ないのでは?」と思われがちなゼリーですが、簡単ななかにちゃんと、幼児がやりたいと思う工程が散りばめられたレシピなので、「自分で作った!」という達成感が味わえる優れものです。
物語は長すぎず、どのページを開いても挿絵があり、数字を除いて全ての漢字にフリガナがついているので、幼児でも自分で読むことができますよ。
栄養士の資格を持つ私としては、作ることの知育(食育)に、おすすめできる児童書 です。

簡単でありながら、作りごたえのあるお菓子で、幼児の「自分で作った!」を、叶えてみませんか。
子供が作ってくれたお菓子は、どんな出来栄えでも、笑顔の花咲く最高の一品ですよ。
本記事では、作ることの知育(食育)に焦点を当てて、児童書「ルルとララのきらきらゼリー」を紹介します。
物語を通して、宝石(誕生石)に興味を持った場合は、鉱物を知るきっかけ(知育)にして、話題を広げてみてはいかがでしょうか。
もし、お店屋さんごっこがしたくなった場合は、お金や数、算数の知育にもつながりますよ。(※物語の中に、お金のやりとりなどは登場しません)
本記事の内容
- 児童書「ルルとララのきらきらゼリー」基本の情報
- 児童書「ルルとララのきらきらゼリー」の内容について(おすすめなところ/良くないところ)
- 余談:児童書「ルルとララのきらきらゼリー」を読んだ子供の反応(7歳と5歳)
それでは、順番にみていきましょう。
児童書「ルルとララのきらきらゼリー」基本の情報
タイトル |
「ルルとララのきらきらゼリー」
あらすじ |
お菓子作りを通して、みんながにこにこ、嬉しくなる誕生日のお話。
その舞台は、森に囲まれた場所。
主人公は、2人の小学生の女の子。
心配性の「ルル」と、のんきな「ララ」。
「ルル」と「ララ」は、お菓子作りの先生「シュガーおばさん」の誕生日を祝おうと、スポンジケーキの練習中。
明日の誕生日までに、スポンジケーキを何とか成功させたい「ルル」と「ララ」。
四苦八苦しているところにネズミの「ニッキ」が現れます。「ニッキ」の提案で「ルル」と「ララ」は等身大の「自分たちにできること」を見つめなおします。
見つめなおす「ルル」と「ララ」の前に、妖精から「妖精の女王様の誕生日パーティーで食べる、食べられる宝石」の依頼が舞い込んできました。
パーティーは今晩。納品まで時間がありません。
「ルル」と「ララ」は、今の自分たちにできることのなかで、精一杯の知恵を絞りました。
選んだお菓子は、ゼリー。
「妖精の女王様」と「シュガーおばさん」へ、喜んでほしい思いを込めて、わくわくするアイディアがいっぱいつまった、ゼリーを贈ります。
対象年齢 |
本の記載はありませんが、岩崎書店のwebページは次の通り。
小学校低学年、中学年
使用されている漢字は、数字を除き全てフリガナがあります。
我が家では気にせず、7歳と5歳に読みました。
(7歳児は途中から「自分で読む!」と、持って行きました。)
絵柄 (リアル⇔デフォルメ) |
絵は、物語を書いているあんびるやすこさんによるもの。
絵はシンプルな線で、色合いはパステルカラー。
全体的に温かみのある優しい雰囲気。
見開きで見たとき、どのページを開いても挿絵があります。
線でかかれた挿絵(カラーではない)もありますが、お菓子の紹介や、レシピのページはカラーで、目を引く構図。
(物語部分見開きで35枚に対し、挿絵は37か所。そのうちカラーは20か所)
物語の文字部分は全ページに渡り、章ごとにかわいい文字を囲む枠線(7章あるので7種類の枠線)で囲まれており、どのページも文字に圧倒されることはありません。
また、文章の途中にもアイコンのような絵が散りばめられています。
作・絵 |
あんびるやすこ さん
- 群馬県生まれ。
- 東海大学文学部日本文学科卒業。
- テレビアニメーション(あんみつ姫)の美術設定を担当。
- その後、おもちゃの企画デザインの仕事もしながら、絵本・児童書のそうさくをはじめる。
- 好きな色:赤
- 好きな花:イングリッシュローズ
- 好きなお菓子:メレンゲ、チョコレート
- 好きな飲み物:
紅茶
・濃く淹れてからのミルクティ
・好きな茶葉はアッサムやティンブラ、ウバ
エスプレッソ
・砂糖をたくさん入れる - 好きな外国:イギリス
- 好きな音楽:パッフェルベルのカノン
- 本名:あんびるやすこ(安蒜保子)
【あんびるやすこ さんのオフィシャルサイト】
http://www.ambiru-yasuko.com/
出版・発行など |
岩波書店
初版発行:2005年4月30日
判型:A5判
ページ数:72ページ
シリーズ |
児童書「ルルとララのきらきらゼリー」は「ルルララ」シリーズになっており、現在28巻まであります。(「ルルとララのきらきらゼリー」は2巻)
物語は1冊ごとに完結しています。
作ることの知育(食育)に焦点を当てた場合は、次の3冊をおすすめします。
- 01巻「ルルとララのカップケーキ」
- 03巻「ルルとララのきらきらゼリー」
- 19巻「ルルとララのフレンチトースト」
理由は、幼児にとって
①「レシピが簡単 (失敗しにくい/作業が途切れない)」
(作る工程→焼く→食べる / 作る工程→冷やす→食べる)
②「子供の発想でアレンジしやすい (入れてみたい食材を入れてみたり)」
③「物語そのものが親しみやすい」からです。
「ルルララ」シリーズ28冊を、参考までに。
01巻「ルルとララのカップケーキ」(おすすめ)
発売日 2005年4月30日
02巻「ルルとララのおしゃれクッキー」
発売日:2005年9月28日
03巻「ルルとララのきらきらゼリー」(おすすめ)
発売日:2006年4月28日
4巻「ルルとララのしあわせマシュマロ」
発売日:2006年9月21日
05巻「ルルとララのチョコレート」
発売日:2007年2月28日
06巻「ルルとララのアイスクリーム」
発売日:2007年7月31日
07巻「ルルとララのいちごのデザート」
発売日:2008年3月31日
08巻「ルルとララのカスタード・プリン」
発売日:2008年10月15日
09巻「ルルとララの天使のケーキ」
発売日:2009年3月31日
10巻「ルルとララのスイートポテト」
発売日:2009年9月30日
11巻「ルルとララのシャーベット」
発売日:2010年4月10日
別冊「ルルとララのレシピカードブック」
発売日:2010年8月28日
12巻「ルルとララのわくわくクレープ」
発売日:2010年12月22日
13巻「ルルとララのふんわりムース」
発売日:2011年5月31日
14巻「ルルとララのホットケーキ」
発売日:2011年11月30日
15巻「ルルとララのしらたまデザート」
発売日:2012年6月9日
別冊「ルルとララのレシピカードブック2」
発売日:2012年8月10日
16巻「ルルとララのにこにこクリーム」
発売日:2013年2月22日
17巻「ルルとララのクリスマス」
発売日:2013年2月22日
18巻「ルルとララのコットンのマカロン」
発売日:2014年6月23日
19巻「ルルとララのフレンチトースト」(おすすめ)
発売日:2014年12月29日
20巻「ルルとララのミルキープリン」
発売日:2015年9月24日
21巻「ルルとララのようこそタルト」
発売日:2016年6月30日
22巻「ルルとララのアロハ! パンケーキ」
発売日:2016年12月16日
23巻「ルルとララのハロウィン」
発売日:2017年9月13日
24巻「ルルとララのアニバーサリー・サンド」
発売日:2018年4月20日
25巻「ルルとララのおまじないクッキー」
発売日:2019年2月21日
26巻「ルルとララのガトーショコラ」
発売日:2021年4月5日
27巻「ルルとララのティラミス」
発売日:2022年9月29日
28巻「ルルとララのかみかみグミ」
発売日:2024年8月6日
児童書の評価 (amazon 楽天ブックス 絵本ナビ) |
星5つで評価 2025/05/19時点
amazon 4.6(43件)
楽天ブックス 4.75(32件)
絵本ナビ 4.6(4人)
児童書「ルルとララのきらきらゼリー」の内容について

ここからは児童書を読んだ感想です。
おすすめなところ5つ
① 主人公が等身大で共感しやすい
お菓子作りが好きだけど、技術は初心者というところが特に良いです。
試行錯誤を繰り返す様子は、どこか重なる経験があるのではないでしょうか。
共感しやすいしかけについては、
【幼児に作る喜びを】児童書「ルルとララのカップケーキ」【フリガナ付き児童書で作ることの知育(食育)】 にて、詳しく記載しています。
よろしければ、ご参照ください。
② 物語に出てきたお菓子が作れる
「本と同じ!」という経験は、本と現実の世界をつないでくれます。
つながることで本への親近感が増しますよ。
③ 1つのレシピをアレンジして色々作れる
自分なりに考えることで、冷やして固めるだけと思われがちなゼリーづくりから、パティシエの気分にしてくれます。
あれこれ考えることを楽しんでいる姿はまるで「ルル」と「ララ」みたいでした。
④ 食べる人のことを考えている
「ルル」と「ララ」の作るお菓子は、「お菓子を作って楽しい」+「食べる人に喜んでもらいたい」の気持ちがあふれています。
技術は初心者でも、喜んでほしい気持ちは一人前。
等身大の自分たちにできることの中で、一生懸命に考える姿が子供と重なります。
⑤「食べられる宝石」が、ただの宝石ではなく、誕生石として登場する
「宝石」とだけ聞くより、「誕生石」と言われると、宝石が途端に身近な存在になる仕掛けが秀逸。
子供たちは、自分自身や家族の誕生日と照らし合わせ、それが何という宝石なのか、レシピは何味で何色なのか、興味津々でした。
登場する誕生石は次の通り
- ガーネット(1月)
- アメジスト(2月)
- アクアマリン(3月)
- ダイヤモンド(4月)
- エメラルド(5月)
- パール(6月)
- ルビー(7月)
- オニキス(8月)
- サファイア(9月)
- オパール(10月)トパーズ(11月)
- くじゃくいし(12月)
良くないところ
特にありません。
あるとすれば、作ることに対する熱量が上がりすぎて、朝の忙しい時間にも「やらせて!」と、やりたがるところくらいでしょうか。
参考までに、我が家では、やる気満々の小さなコックさんへ、次のようにお願いをしています。
- 休日は、「やらせて!」の内容に制限なし(やりたいことができます)
- 休日以外の朝は、今までにやったことがある作業ならできます。
「休日以外の朝はゆっくり説明ができないので、初めての作業は休日にやってみてからしようね」と伝えた結果、やる気が減ることはありませんでした。
児童書「ルルとララのきらきらゼリー」を読んだ子供の反応(7歳と5歳)
7歳
- 読んであげる前に、自分で読んでしまいました。
- (炭酸飲料がまだ飲めないので)「ダイヤモンドのゼリーきれいで食べてみたいけど、まだ無理かなぁ」と話したり、「どれもきれいでおいしそう」と、読み終わった後も眺めたりしています。
- 「お母さんの誕生日は?」「お父さんの誕生日は?」など、誕生日を聞いては、誕生石と照らし合わせていました。
5歳児
- 初対面で怒ってしまった妖精と、仲直りができると、「もう怒ってないの?」と聞き、「よかったねー」と、ほっとした様子。
- 「ルル」と「ララ」が、食べられる宝石を考えている場面や、星型の光が入らず悩む場面では、自分なりに知恵を絞って、「ルル」や「ララ」と一緒に、「こうしたらいいんじゃない」「こういうのはどう?」など、アイディアを次々に出してくれる、一生懸命な姿がありました。
- 誕生石にも興味津々で、自分自身や家族の誕生日と、誕生石のゼリーを照らし合わせたり、「きれいだね」と眺めていました。

「ルル」と「ララ」、「ニッキ」と一緒になって、問題や困難を乗り越えるために考え、小さな人生経験からアイディアをひねり出してくる姿はどれも、一生懸命で、必死で、力強くて、「こんなにたくさん考えられるようになったんだな」と、胸がいっぱいになりました。
盛り付ける食材が入った器のスプーンを口に入れたり、口に入れたスプーンを食材のへ戻されることに、抵抗を感じる方へ。
我が家では、作っている途中で食べたくなる子供の気持ちを汲んで、盛り付ける食材を入れた器とは別に、味見用(食べてもいい用)の食材が少し入った器とスプーンも準備することにしています。
事前に伝えることは次の2つ。
①「こっちの器とスプーンは盛り付け用だよ。飾ろうね」
②「こっちの器とスプーンは食べてもいいものだよ。食べたいときは、こっちを食べてね」
作る前に食べたり、作りながら食べたり、作り終わってから食べたりしますが、とりあえず、口に入れたスプーンが混ざらなければオッケーという方針は、いかがでしょうか。
というわけで、今回は以上です。
ここまで読んでいただきまして、ありがとうございました。
少しでも、児童書選びの足しになりましたら、うれしいです。
amazonのページでは、試し読みと、イメージ画像(物語の見開き1枚とレシピ紹介の見開き1枚)にて内容を確認することができます。
お菓子作りに対して、わくわく、楽しい気持ちが沸き起こる雰囲気を、よろしければ参考までにご参照ください。
絵本による お菓子作りが登場する物語 をご参考までに。
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