こんにちは、いなか ちさき です。
幼児に体内で働いている細胞のことを知ってもらいたい。
「はたらく細胞」は身体のことがわかりやすいけど、幼児には表現が怖いかも。
「はたらく細胞」みたいに、わかりやすい幼児向けの本はないかな。
幼児にもわかりやすくて読みやすい細胞の絵本をお探しの方へ。
絵本「はたらく細胞 ばいきんVS.白血球たちの大血戦!」は、デフォルメされたキャラクターの漫画で描かれているので親しみやすく、血まみれになるなどの怖い表現や戦闘シーンもありません。
我が家では5歳児と3歳児が興味津々で何度も読んでおり、はたらく細胞を通して「ばいきん」への理解が深まったので、おすすめの絵本として紹介します。
本記事の内容
- 絵本「はたらく細胞 ばいきんVS.白血球たちの大血戦!」基本の情報
- 絵本「はたらく細胞 ばいきんVS.白血球たちの大血戦!」の内容について(おすすめなところ/良くないところ)
- 余談:絵本「はたらく細胞 ばいきんVS.白血球たちの大血戦!」を読んだ子供の反応(5歳と3歳)
それでは、順番にみていきましょう。
絵本「はたらく細胞 ばいきんVS.白血球たちの大血戦!」基本の情報
タイトル |
「はたらく細胞 ばいきんVS.白血球たちの大血戦!」
内容 |
【漫画その1:くしゃみ】
体内に侵入した肺炎球菌と白血球が戦闘。最後はくしゃみで退治する話。
途中に見開きの迷路があります。
【漫画その2:すりきず】
傷口から侵入してきた細菌と白血球が戦闘で苦戦。血小板が状況をひっくり返し、事なきを得る話。
【コラムなど】
赤血球、白血球(好中球)、血小板の紹介 / 赤血球、白血球、マクロファージ、血小板の紹介 / 細胞の数と大きさについて / たたかう体(のしくみ) / 病原体の大きさ
原作との相違点 |
原作(漫画)と絵本を見比べてみました。
すべてを網羅できていないかもしれませんが、参考までに。
- 戦闘シーンにおいて、グーでポカポカと叩く表現になっている。
- 白血球は素手で戦闘する。
- 戦闘における赤い液体は飛び散らないどころか、どこにも出てこない。
- 戦闘シーンの攻防はあっさり。
【例】遊走によって白血球が登場する「バキ」の場面から「ガシュン」とカプセル捕獲まで
原作→10ページで38コマ
絵本→3ページで7コマ - 「雑菌野郎」などと白血球が荒々しい言葉を使わない。
- 戦闘した白血球に対して「容赦ねーな」「怖ぁー」など周りの細胞が言わない。(=白血球のキャラが容赦なく怖いというよりはヒーローのような雰囲気に留まっています)
- 登場するのは赤血球、白血球、血小板のみ。
- キラーT細胞やヘルパーT細胞の介入なし。
- 赤血球が二酸化炭素を持って肺にたどりつくまでの流れが簡略されているため、静脈弁、リンパ管、樹状細胞、血餅、肺、毛細血管、肺胞などの細かい説明はありません。
- 血小板の積み荷が降ろせない、手伝うのやりとりはなし。
- 莢膜による攻撃、遊走の説明、被包性細菌の説明はありません。
- カプセルに捕獲後のドリンクコーナーはなし。
- くしゃみ1号を打ち上げて話が終わる。
- すりきずから侵入した細菌との攻防戦に緊迫感や悲壮感の描写はあまりありません。
- 白血球の疲労感の描写は赤い液体はなく泥汚れで表現。
- 登場した血小板を援護する描写はなし。
対象年齢 |
特に記載がありません。
漢字全てにフリガナがついています。
我が家では気にせず、5歳と3歳が読み始めました。
絵柄 (リアル⇔デフォルメ) |
キャラクターはデフォルメされています。
塗り絵の輪郭のようにはっきりと描かれたシンプルな線。
丸みを帯びてるのでとてもかわいらしく感じる。
デフォルメされたキャラクターでも、5歳と3歳は白血球が怖かったようです。
話を読んだ後は「かっこいい」という認識に代わりました。
原作 |
清水茜 さん
- 1994年、東京都生まれ
- 第27回少年シリウス新人賞にて大賞を受賞
- 月刊少年シリウスにて「はたらく細胞」を連載
作 |
牧村久実 さん
- 東京都出身
- 漫画や挿絵を手掛ける
医療監修
原田知幸 さん
出版・発行など |
講談社
初版発行:2020年12月02日
判型:AB
ページ数:36ページ
絵本の評価 (amazon 楽天ブックス) |
星5つで評価 2023/03/26時点
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絵本ナビ 4.5(3人)
絵本「はたらく細胞 ばいきんVS.白血球たちの大血戦!」の内容について
ここからは絵本を読んだ感想です。
おすすめなところ
日常生活でイメージしやすくなる
「白血球さんがばいきんと戦わなきゃいけなくなるから、きれいな手で食べようね」など、日常にあるケガや病気の予防と治療の場面の声掛けについて、子供が納得しやすくなったように思います。
臨場感があるコマ割りとカメラアングルや演出
絵本と言う限りあるページ内で、視覚的にもよく表現され、まとめられています。
良くないところ
漢字本来の読みとは違うフリガナがあること。
具体的には次のとおり。
- 「赤血球」と書いて「わたし」と読む
- 「赤血球」と書いて「おまえ」と読む
- 「細菌」と書いて「わたし」と読む
- 「仕事人」と書いて「プロ」と読む
- 「あ」に濁点の付いた文字
漢字本来の読み方と混同するのではないかと思っていましたが、杞憂に終わってよかったです。
漫画の表現を伝えるよい機会となりました。
かみ砕かれていない表現(専門用語)で描かれている部分について「絵本になったのに、わかりやすくなっていない」と感じる方もいらっしゃるようです。
個人的には、かみ砕かれていない表現(専門用語)だからこそ、よかった!
難しい言葉や初めて聞く言葉、漢字がいっぱいの言葉は「なんだろう」「どういう意味?」と、子供の好奇心や興味をとても刺激してくれました。
絵本「はたらく細胞 ばいきんVS.白血球たちの大血戦!」は、少ないページ数の中で、コマ割りやカメラアングルを効果的に使うことで、視覚的にもわかりやすく、内容もよくまとめられており、幼児が読むにあたって大変満足しております。
絵本「はたらく細胞 ばいきんVS.白血球たちの大血戦!」を読んだ子供の反応(5歳と3歳)
- キャラクター紹介の絵だけを見て、赤血球と血小板に好印象を抱くも、白血球は怖いという感想。
- 読み終わってみると、白血球はかっこいいという印象になっていました。
- 風邪をひいたときなど「白血球さんたちが頑張れるように、協力する」という認識で、安静にできるようになりました。
- 3歳児は特に、白血球の「礼はいい」というセリフがお気に入り。
- 3歳児のごっこ遊びには「ありがとうございます」「礼はいい」のやりとりがでてくる。
絵本を読んで以降は、風邪をひいたときも、「お布団に入って、体をあたたかくして、白血球さんたちを応援しよう」「体をあたたかくしてあげた方が、白血球さんたちが頑張れるよ」などの声掛けで、安静に過ごしてくれるようになりました。
というわけで、今回は以上です。
ここまで読んでいただきまして、ありがとうございました。
少しでも、絵本選びの足しになりましたら、うれしいです。
amazonに試し読みのページがあります。幼児に読ませるにあたって一番気になる戦闘シーンを確認することはできませんが、デフォルメされた絵柄の雰囲気や漫画の感じを見ることはできますよ。
体のことに興味がある幼児の方へ参考までに。
●絵本「どんどん めくって はっけん!からだのふしぎ」
【対象年齢】小学校1年から6年 (我が家は3歳と1歳から)
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【3歳の好奇心にもぴったり】「どんどん めくって はっけん!からだのふしぎ」【絵本で理科の知育】
幼児期から理科に興味を持ってほしい。絵本「どんどん めくって はっけん!からだのふしぎ」は、「なんで」「どうして」と、朝から晩まで疑問や質問がいっぱいの何でも聞きたがる時期にぴったり。絵と仕掛けがいっぱいなので、めくって、遊んで、楽しみながら、からだの不思議に触れることができます。さりげない理科の知育になりますよ。
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